5/18/2012

難易度の現実と誤解

大学入学査定における厳しさが度々新聞で取扱われています。私立大学の高額な学費と最近の州立大学による学費値上がりにより重要になってきているFinancial Aidsが絡んでくると、大学のタイプによる区分け自体も複雑に感じられます。何事も複雑化してくると、専門家に頼りぎみになってしまうのは避けられません。しかし、私営カウンセラーによっては、彼らに都合のよい部分を強調し無用な事へ支払いや援助契約を斡旋されてしまいます。2回に分けて、大学入学査定における大学群選択の基本的区分のまとめと2つの大きな誤解を説明します。

大学査定で最も基本となる区分けは、勿論入学難易度による区分けです。4つに分けたり、5つ又は6つに分けたりしますが、基本的には合格率度合いによって線を引いてグループにしています。一般的な例として、
区分け基準
最も難関(Highly Selective)合格率15%前後未満ハーバード、イェール、プリンストン
高選択される(Most Selective)合格率15%前後-30%未満ジョージタウン、ノースウエスタン、カールトン
ある程度選択される(Moderately Selective)合格率31%-60%未満ボストン、リーハイ、スキッドモア
選択がある(Selective)合格率61%-90%前後未満ドレーク、パデュー、セイントトーマス
選択無し願書提出により殆ど入学。


名門大学の合格率低下が毎年記録更新していますので、各メディアで取り上げられています。このニュースが報道される度に大学入学が困難になって行っているように思われます。学力優秀さと課外活動や資質の魅力によって包括的な選択がされているとされ、多岐にわたる項目で秀でる必要性が言われています。高校での成績だけでは無く、標準テストでのスコア。課外活動での役員経験やボランティア活動時間。エッセイの書き方や内容。多くの大事な項目のようです。いずれもカウンセラーに相談して、手助けをしてもらいながら作り上げると良いように思われます。米国では高校まで義務教育ですから、大学進学ではじめての選択査定をされます。のりきるには、専門の手助けが必要なのでしょうか。

第一の誤解は、全ての大学査定が厳しくなってきている。米国大学進学過程難易度は二極限化しているのが現状です。ほんの一部の有名名門大学への進学の競争率が更新されて難しくなっていっています。それに対し、他の大学群の難易度は歴史的に同じかむしろ簡単になってきています。これらの層は、学費の違いによる競争による学生選択過程が生まれ、大学のよっては奨学金等の経済援助の必要の無い学費全額支払をする学生への入学に対しては最低基準を超えている学生に門戸を完全に開いています。

Princeton Review社による調査による「中高生による夢の大学」と「親による子供に進学してもらいたい夢の大学」の順位です。
順位中高生 夢の大学親 夢の大学
1スタンフォードハーバード
2ハーバードスタンフォード
3ニューヨークプリンストン
4プリンストンマサチューセッツ工科
5マサチューセッツ工科イェール
6イェールデューク
7カルフォルニア-ロサンジェルス校ブラウン
8ペンシルベニアニューヨーク
9南カルフォルニアノートルダム
10カルフォルニア-バークレー校ノースウエスタン

親も子も皆同じ上位有名大学に進学するのを夢見ています。多くの志願者が特定の上位25や30の大学群に集中化しているのが現状です。幾つかの雑誌によるランキングやインターネットによる情報の集中化により極少数の大学への評価が広がり、極少数の大学への進学志望が増え続けています。これは、上位25総合大学や上位10LAC大学群です。

2010年の統計では、公立4年制大学在籍者は7百7十万人、私立4年制大学在籍者は5百2十万人、公立2年制大学在籍者は7百十万人、そして私立2年制大学は4十万人です。その内上記上位大学在籍学生は4万人強にしかすぎません。この極一部の大学群トレンドを取上げているのはメディアですが、この一部の傾向をあたかも米国大学全ての傾向のように扱いには注意するべきです。Princeton Review社やFiske社による勧め大学紹介の本が有名です。いずれも300校程の大学が載っています。Fiske社の大学の難易度を区分けすると、

基準
合格率20%前後未満19
合格率21%前後-50%未満63
合格率51%-75%未満109
合格率76%-100%未満112

雑誌やインターネットの影響で上位25総合大学と上位10LACに全米(世界)からの志願者が集まり最も難関な大学群を構成し、地方(住んでいる地元)の名門やFlagship州立で高選択される大学群を構成しているのが現状です。後は地元のDirectional大学群となり、多くの大学生が進学しています。この様な大学では、入学審査による振分けでなく、進学後の成績による振分けになってきます。これら大学の卒業率が低い理由でもあります。(難関名門大学の合格率は低いが卒業率が高い1つの理由-卒業できる学力のある学生だけを合格させる)。上記表からも、少数の難関、多くの進学し易い大学に分けられるのが理解できるでしょう。

Mostか上位Highly Selectiveな大学(特に私立)群への進学では包括的判断による査定が行われますが、そのグループ以外の大学(公立Highly selective含)群では高校の成績とSAT等の標準テストのスコアに重点がおかれ、その他の項目の重要性が極度に下がります。在籍する高校の評価などよりも、個人の高校での成績実績と標準テストの成績が合否の大きな要因。むしろ、最低基準以上の証明で十分とも言えます。競争が激しく総括的多岐にわたる項目を優れた結果を表し、その上に何か秀でた魅力を強調する願書制作を強いられる上位名門大学志願者は個人私営カウンセラーの必要性や価値を見つけられるでしょう。しかし、数校を除いた州立大学への志願者や中堅私立大学への志願者には特別な理由が無い限り、日本からの留学志望者も日系在米志願者両方、個人でカウンセラーを雇う必要性は全く無いでしょう。むしろ、その分高校の成績と標準テストのスコア向上にむけるべきでしょう。

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